平成25年県議会12月定例会代表質問

2014年01月04日

知事の政治姿勢、県政の諸課題について問う

新総合計画の策定に向けた知事の決意について

Q 質問内容
まず、はじめに、知事の政治姿勢についてのうち、新総合計画の策定に向けた知事の決意についてであります。
知事は、「ポスト東京時代の日本の理想郷を創る」とする新総合計画について、平成31年度までの基本構想を前倒しして各施策を完遂すると発言されています。私をはじめ、我が会派では、特に、この「ポスト東京時代」という言葉の意味が県民にイメージしにくいものとなっているのではないかと危惧しているところであります。
言うまでもなく、総合計画は、静岡県行政だけではなく、市町や企業をはじめとする各種団体、県民の皆様との連携・協働により、全県を挙げて取り組んでいくべきものであります。その意味で県民に分かりやすい表現にしていくことが求められるところであり、知事の考えをしっかりと県民に説明する必要があると考えます。
そこで、まず、計画の基本理念に「ポスト東京時代」を掲げ、県政を進めようとする知事の考えを伺います。
また、平成23年2月に現在の基本計画が策定されてから現在に至るまで、様々な県の施策が実行されていますが、一部の分野でその進捗に遅れが見られる結果となっているのが現実であります。
現在、県民の暮らしを取り巻く様々な課題が山積する中、まず何よりも徹底した選択と集中で施策の推進に邁進することが切に求められているものと考えます。
我が自民改革会議では、去る10月17日に、県民の関心が高い防災・減災対策をはじめ、依然として厳しい雇用状況への対応、早急な学力向上対策など、次期計画に対する政策を取りまとめ、知事に提言したところであります。そこで、我が会派からの提言を踏まえ、どのように計画を策定したのか知事の所見を伺います。

A 答弁内容(知事答弁)
良知議員にお答えいたします。私の政治姿勢についてのうち、新総合計画策定に向けた私の
決意についてでございます。
日本という国は、中心地を変えてきました。まず最初に中心地になったのは奈良です。続きまして、平安京、鎌倉、室町京都、そして東京というように中心地を変えてきたわけでございますが、この中心地を変えるという日本の国柄を改めて振り返りますと、京都を中心に東洋の文明を受容したという特色を見出すことが出来ます。また東京を中心に、今日にありますように西洋の文明を受容してまいりました。そして東西両方の文明を受容し終えたというのが今の日本ではないかという認識を持っております。
時代名についてでありますけれども、明治以降の日本は東京が中心地でありましたから、「東京時代」であるというふうに言えると思います。奈良が中心であった時には奈良時代、平安京都が中心であった時には平安時代、鎌倉が中心であった時には鎌倉時代、そして室町京都が中心であったときには室町時代というようにです。
そして、その東京時代とは、西洋文明を東京に受容いたしまして、それを各地に広めた時代であります。しかし今や、各地方がミニ東京になるのではなくて、特色を活かした地域づくりを進める時代に入っていると思います。本県もまた、本県の特色を活かした地域づくりを進めているのは、党派を超えず、同じ共通の課題を担っていると認識を持っております。東京を中心にした中央集権の時代、これを「東京時代」と言うとすれば、これから各地域が自らの地域性を活かした時代というのは、「ポスト東京時代」と言っていいと。そのような新しい時代を開こうということでございます。
そのような時にあたりまして、国土のシンボルであり、国土の中心に位置する富士山が世界遺産となったわけでございます。この世界の宝を擁する本県が、霊峰から導き出されるたくさんの価値、これに立脚して地域づくりを進めるというのが、まさに「ポスト東京時代を開く」という表現になっております。それは、各地域が自立する国づくりのなかで先導役を担うのであるという決意を持っての命名であります。
次期計画におきましては、東京が中心であった時代、それを過去のものにするという「ポスト東京時代の日本の理想郷を創る」ということをもって基本理念として掲げました。今後は、県民の皆様とこの理念を共有しながら“ふじのくに”づくりに邁進してまいります。
また、計画策定に当たりましては、自民改革会議の皆様方から91項目に及ぶ大変貴重な御提言を頂き、改めて感謝しております。最優先で取り組むべき防災・減災計画と強靭な県土づくりを始め、人口減少への対応、景気・雇用対策、教育改革、行財政改革など喫緊の課題への対応や世界遺産富士山を後世へ継承する取組、東京オリンピック・パラリンピックをも見据えた交流人口の拡大など、頂いた提言・政策につきましては、私といたしましても、全力を挙げて取り組むべき課題であると認識しています。可能な限り次期計画の施策・事業に取り込ませていただき、数値目標の見直しなど、所要の対応を図ったところでございます。
計画が成案になるまでには、更に一層、議論を深めなければなりません。今後とも、県議会の皆様方からの御意見を頂戴しながら、計画の実効性を高め、全ての県民の皆様が夢や希望を持てる次期基本計画を策定してまいります。引き続き御支援と御協力を賜りますようお願いを申し上げます。